このページの要点

  • 受電報告は、電話の記録ではなく、次に動く人のための情報。何を聞き、どこへ届けるかは、届いた人が何をするかから逆算して決める
  • すべての電話を同じ速さで知らせる必要はない。電話ごとに、届ける速さと届け先を変える
  • 報告項目は多いほどいいのではなく、次の行動に必要なだけ。報告先まで決まって、振り分けは完成する
  • 緊急連絡を決めるとは、何を緊急にしないかも決めること。メールかチャットかは、7項目を決めたあとに選ぶ

電話代行の「受電報告」とは。

電話代行の受電報告とは、電話代行が受けた電話の内容を、利用企業側へ伝える工程です。相手の会社名、名前、連絡先、誰宛か、用件、折り返し希望の有無などが含まれますが、何を聞いて何を伝えるかは、サービスと受付内容によって異なります。

受電報告に含まれうる情報の例です。

  • 相手の会社名
  • 名前
  • 連絡先
  • 誰宛か
  • 用件
  • 折り返し希望の有無、希望の時間帯

すべてのサービスがこの項目を聞くわけではありません。名前と連絡先だけを聞いて知らせるサービスもあれば、用件を確認して伝えるサービスもあります。同じサービスでも、契約するプランや、受付ルールとして何を聞くと決めたかで、報告に載る情報は変わります。

受電報告は、電話があったことの記録ではなく、次に動く人のための情報です。だから、受電報告を考えるときはどのツールで届くかの前に、届いた人がその報告を見て何をするか、そのために何が書かれている必要があるか、を決めることになります。

メールとチャットは、何が違う?

メールとチャットの違いは、速さや品質の優劣ではなく、報告がどこに置かれるかの違いです。メールは既存のメール運用に載せやすく、チャットは日常の業務コミュニケーションの中に報告を置けます。連絡手段を選ぶのではなく、普段どこで仕事をしているかに合わせます。

同じ電話でも、届け先と届け方は分けられる
  • メール。個人のアドレスでも、共有アドレスでも受けられる。メールで仕事をしている会社なら、報告もそこに載る。あとから検索して探しやすい
  • チャット。チャンネルやグループなど、既存の運用と組み合わせて考えられる。チャットで仕事をしている会社なら、報告を見る場所が増えない

どちらが優れているかは決まりません。メールをほとんど見ない会社に報告をメールで送れば、報告は届いても見られません。逆に、チャットを使っていない会社に報告用のチャットを新設すれば、報告を見るためだけにツールを開くことになります。

通知の細かい動き、たとえばどのタイミングで、どの形式で、どのチャンネルに届くかは、電話代行サービスとチャットツールの組み合わせで変わります。ここは、利用するサービスに確認してください。

チャットにすれば、電話対応が減るわけではない。

報告先をチャットに変えても、受けた電話がすべて同じ場所に流れ、社員がそれを全部読んで必要かどうかを判断しているなら、電話対応の負担はあまり減りません。受電報告の量を減らさずに通知先だけ変えても、判断は社内に残ります。

報告先だけをチャットに変えた場合の流れです。

  1. 電話がかかってくる
  2. 電話代行が受ける
  3. すべてチャットへ流れる
  4. 社員が全部読む
  5. 必要か不要かを判断する

この形だと、着信音は消えても、確認作業は残ります。しかもチャットは通知が届くので、電話に出なくてよくなった代わりに、通知を見るたびに手が止まります。着信音が、チャットの通知音に変わっただけです。電話が仕事に割り込む構造は電話で仕事が中断される。集中を切らさない電話対応の考え方に書いています。

減らすべきなのは、報告の速さではなく、社内で判断する回数です。そのためには、どの電話を届け、どの電話は届けなくてよいかを先に決める必要があります。通知先の変更は、その後です。

すべての電話を、同じ方法で届けなくていい。

受電報告は、電話の種類ごとに、届ける速さと方法を変えられます。すぐ知らせる電話、通常の報告でよい電話、まとめて知らせればよい電話、受付で終える電話。同じ速さで全部を知らせる必要はありません。

設計の例です。当社の全契約がこのとおりという意味ではなく、電話の種類で分ける考え方を示すものです。

  • 既存のお客様からの重要な連絡 → 必要な人へ早く届ける
  • 新規の問い合わせ → 担当部署へ届ける
  • 営業電話 → 受付で終了する、または決めた方法でまとめて知らせる
  • 担当者宛の電話 → その担当者へ届ける
  • 緊急の連絡 → 決めた緊急連絡先へ

電話ごとに、届ける速さと届け先を変える。これが決まると、チャットに流れる報告は見たら動く電話だけになり、まとめて届く報告はあとで目を通せばよい電話になります。報告の総量は同じでも、その場で判断する回数が変わります。

営業電話をどこで終え、どうまとめるかは営業電話への対応を減らすには?に書いています。

全部報告されると、結局全部見る。

全部知らせてもらえば見落としはありませんが、全部に目を通す手間がつきます。当社に相談があった会社では、受けた電話がすべてチャットのグループに報告されていて、報告を受ける側が結局すべてに目を通していました。

全部が同じ速さで届くと、結局すべてを読むことになる

相談時点の状態です。その会社は別の電話受付サービスを利用中で、電話は月50件前後、確認した月は38件でした。受電内容はすべてチャットのグループへ報告され、その多くが営業電話です。重要な電話は少数でしたが、営業電話の報告も必要な電話の報告も同じグループに同じ形で届くので、社内では38件すべてを読んで、対応が要るかどうかを判断していました。報告の宛名の書き方が回によって違うことや、用件が読み取れない報告があることも、気になっていた点でした。

報告先はチャットで、通知は届いています。それでも負担が残っていたのは、報告の量と形が、次に動く人に合わせて設計されていなかったからです。相談で整理したのは、営業電話は都度流さずまとめて知らせること、必要な電話だけをチャットへ届けること、用件によって届け先を分けること、の3つでした。相談時に整理した受付方法であって、導入後の成果は確認していません。

報告内容は、次に動ける情報まで決める。

受電報告に載せる内容は、報告を受けた人がもう一度確認しなくても次に動ける情報まで決めます。ただし、全部の電話で全部を聞けばいいわけではなく、報告項目は多いほどいいのではなく、次の行動に必要なだけです。

「○○様からお電話がありました」だけの報告では、折り返す前に、何の件か、急ぐのか、誰が折り返すのかを確認し直すことになります。報告に載せる項目の候補です。

  • 誰から(会社名・名前)
  • 何について(用件)
  • 誰宛か
  • 何を希望しているか(折り返し、資料、見積もりなど)
  • 折り返しが必要か、いつがよいか

必要な情報は、電話の種類で違います。営業電話なら会社名と用件の要点だけで足り、既存のお客様からの連絡なら、担当者が準備して折り返せる程度の用件が要ります。新規の問い合わせなら、検討しているサービスと連絡先、希望の時間帯まで聞いたほうが、折り返しが1回で済みます。

報告項目を増やすと、受付での通話は長くなり、相手に聞く負担も増えます。だから何を聞くかは、電話の種類ごとに次に誰が何をするかから逆算して決めます。電話の種類ごとに聞く項目を決めて残す方法は電話対応マニュアルの作り方に書いています。

誰へ届けるかも、受付ルールの一部。

受電報告の届け先は、代表メールや全社チャットに全部流す形だけではなく、用件や相手によって分けられます。報告先まで決まって、振り分けは完成します。

届け先を分ける例です。

  • 請求・支払いに関する電話 → 経理
  • 採用に関する電話 → 人事
  • 既存のお客様からの電話 → 担当チーム
  • 特定の担当者宛の電話 → その担当者

届け先が分かれていないと、報告を受けた人がこれは誰の仕事かを判断して回すことになり、その判断がそのまま社内の仕事になります。届け先まで受付ルールに入っていれば、報告は最初から動く人のところに届きます。

当社では、用件や相手によって報告先を分ける受付は、決めた受付フローやルールに沿って再現できる範囲として、Professionalで対応しています。報告先の分岐があること自体でCustom Designになることはありません。Custom Designは、受付フローやルールだけでは再現しにくく、経験を要する判断を含む受付を個別に設計するプランです。用件から行き先を決める考え方は電話取次とは?電話をつなぐ前に確認したいことと効率化の方法にまとめています。

すぐ知らせる電話を決める。

緊急として即時に知らせる電話は、条件を絞って決めます。全部を緊急にすると、緊急通知そのものが機能しなくなります。緊急連絡を決めるとは、何を緊急にしないかも決めることです。

すぐ知らせる電話だけ、速さを変えて届ける

すぐ知らせる電話の決め方の例です。

  • 家族、学校、保育園など、あらかじめ決めた相手からの電話
  • あらかじめ指定した重要なお客様・取引先からの電話
  • 決めた種類のトラブルや障害の連絡
  • 相手が「大至急」と言った電話

当社の場合、Professional以上で、緊急の電話は Eメールだけで終わらせず、担当者の携帯電話へ連絡します。相手が大至急と言われた場合、同日2回目の催促の電話、待ち合わせ時間の変更などが対象で、家族に関わる電話を緊急の携帯連絡にする運用例もあります。どの電話を緊急とするかは、利用企業ごとに決めた条件に沿います。

緊急の条件を決めるときに大事なのは、外す側です。重要そうな電話は全部にすると、受付側は迷ったものをすべて緊急に倒し、緊急通知が通常の報告と変わらなくなります。緊急にしない電話をどう扱うか、つまり通常の報告か、まとめて報告か、まで決めて、はじめて緊急通知が意味を持ちます。

報告方法を決める前に確認したい7項目。

メールかチャットかを選ぶ前に確認するのは、どんな電話を届けるか、届けなくていい電話はあるか、何を聞いてほしいか、誰へ届けるか、すぐ知らせる電話は何か、あとでまとめて確認できる電話は何か、普段どのツールで仕事をしているか、の7つです。

  1. どんな電話を届けるか
  2. 届けなくていい電話はあるか
  3. 何を聞いてほしいか
  4. 誰へ届けるか
  5. すぐ知らせる電話は何か
  6. あとでまとめて確認できる電話は何か
  7. 普段どのツールで仕事をしているか

1から6が決まると、報告の量、内容、届け先、速さが決まります。7で、それをメールで受けるかチャットで受けるかが決まります。順番が逆になると、ツールを先に決めて、そこに全部の電話を流す設計になります。

当社では、プランによって、Eメールに加えてチャットツールへの報告に対応しています。対応するツールと報告の形は、プランと利用環境に応じてご案内します。報告と取次の仕組みは電話内容の報告・取次に、受付ルール全体をどう設計するかは電話代行の運用設計にまとめています。

報告は通知ではなく、次の仕事から設計する。

受電報告は、電話代行側の「受ける、聞く、分ける、届ける」と、利用企業側の「届いた情報を見て動く」の接続点です。どこへ通知するかより、通知されたあと誰が何をするか。その動きが決まれば、必要な報告内容も、届け先も、速さも決めやすくなります。

電話代行側と利用企業側の役割を並べると、こうなります。

  • 電話代行側。受ける、聞く、分ける、届ける
  • 利用企業側。届いた情報を見て、折り返す、対応する、判断する

受電報告の設計とは、この境目で、何をどの形で渡すかを決めることです。利用企業側の動きが担当者が折り返すなら、報告には折り返しに必要な用件と連絡先が要ります。経理が処理するなら、報告は経理に届く必要があります。あとで一覧を見るなら、都度の通知は要りません。

通知されたあとに誰が何をするかが決まって、はじめて、その人に必要な形で報告が届くようになります。電話対応の工程のどこまでを社内から減らすかは電話対応を効率化する方法にまとめています。